夜と霧 新版

夜と霧 新版
ヴィクトール・E・フランクル (著), 池田 香代子 (翻訳)

多くの本がある中でもこれは特に人に紹介したい一冊です。

著者はウィーン出身の精神医学者で第二次世界大戦中にアウシュビッツ強制収容所に収容されていた経験があります。

強制収容所の経験について書かれた本というのはいくつかあって、この本が他と異なる点は学者としての観点でその経験を語っていること。

人間にとって生きる意味とは何か、意味づけすることが難しいこのテーマについて一つの見解が提示されています。

強制収容所の生活は壮絶な経験で、現代に生きる私達が想像できるようなものではなく、著者自身もそれは経験したものにしか分からないことだと語っています。

収容所生活の以前から書き溜めていた自らの論文は収容時に没収され身ぐるみ全てを失った状況で数年が過ぎ、著者はそれでも医学者という立場を見失うことなくその経験についてを分析していました。
強制労働や過酷な生活の中で数日の間だけ発疹チフスで病の床に伏している間に書かれた速記がこの本のもとになっています。

収容所で生活した被収容者は三段階の変化があったといいます。
それはこの本の目次として分けられています。

目次

心理学者、強制収容所を体験する

第一段階 収容

第二段階 収容所生活

第三段階 収容所から解放されて

この本が提示しているのは、過酷な状況下でも人は内面を犯されることなく、自ら行動を選択することで人生の喜びを見出すことが出来るということだと思います。
それは著者自身が強制収容所の生活を通して実証したことで、著者以外にも少なからずの被収容者が同様であったそうです。
著者は自ら身をもってその提唱を読者に向けて投げかけています。

 

カテゴリー: 書評 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です