安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書

安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書
安藤 忠雄 (著)

建築家で有名な安藤忠雄が日経新聞に連載していた「私の履歴書」というコラムをまとめて出版した本。著作は何冊か出ていますが、これしか読んでいないため他と比べてこの本が特筆して面白いかどうかは分かりません。
ただ、安藤忠雄が高卒で、大学を出てはいないけれど独学で建築を学んでいまの立場を築いたこと、働きながら勉強をして一級建築士の資格を一発で取得していることなど、それらの経験について書かれていて興味深いです。

学力と家庭事情で大学に進学できなかった彼は、建築学課に進学した友人から授業の教科書を教えてもらい大学生が4年間で学ぶことを1年以内に修得しようとひたすら勉強をしたそうです。当時、つらかったのは学んだことや建築設計に対する考え方を友人たちと議論し合うといったことができずに孤独であったことだそうです。ただ、本文には書かれていませんが、こういった自分の内面と向き合う時間があったことが独自の完成を磨くことに寄与して後の成功に繋がっているのかもしれません。

建築士の取得を目指したきっかけは設計を請け負っていたある顧客に「一級建築士ではないのですか?」と心配して聞かれたことだったそうです。 当時、アルバイトとはいえ仕事は忙しくてある日から昼食の時間も近所で買ったパンを食べながら勉強をして同僚からは不思議がられたそうです。

彼のメッセージは「”気力、集中力、目的意識” 強い思いを持つことが自らに課したハードルを越えさせる」でした。

安藤忠雄の作品を見ていると瀬戸内海の直島を思い出します。ANDO MUSEUMでも紹介されていた”光の教会”はU2のボノが見にきたいといってアイルランドからわざわざ訪ねてきて祈りを捧げたそうです。祈りを捧げたボノはその場で、歌っても良いかと一言聞いて賛美歌のアメージング・グレイスを歌ったそうです。
U2がすごく好きなわけではないですが、その歌は聴いてみたかったと思いました。

普段あまり考えないけれど、アイルランド人がわざわざ見にきたいと言うような建築が身近にあってそれをすぐ見ることができるというのは贅沢なものだなと思います。また、安藤忠雄は出身地の大阪に愛着を持っており関西にはその設計建築が多くあります。歴史に残る建築が多くある関西で生まれ育った人は少しうらやましいなとも思います。

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