スローターハウス5

スローターハウス5
カート・ヴォネガット・ジュニア (著), 伊藤 典夫 (翻訳)

スローターハウス5とはドイツ語の「シュラハトホーフ=フュンフ」を英訳したもので第5食肉処理場という意味の言葉で、主人公が第二次世界大戦中に捕虜として収容されていた場所の名前です。この本は主人公のビリー・ピルグリムが時間旅行をするというSF小説で1969年に出版された作品です。作中でビリー・ピルグリムは様々な時間を行き来し、また地球外生命体のトラファマドール星人に拉致されて地球から遠く離れた場所で生活したりもします。

ストーリーは主に第二次世界大戦終盤のドレスデン爆撃を中心として話が進んでいきます。ドレスデン爆撃は終戦直前の1945年にドイツ東部のドレスデン地方にたいして連合国軍が行った無差別爆撃のこと。当時、多くの戦争難民が滞在していた景観の美しかったドレスデンはこの爆撃により壊滅的なダメージを受けて、著者の表現によるところのでこぼこの月面のようになったそうです。

この本では著者自身が捕虜として経験したドレスデン爆撃のことが小説のなかに反映されています。戦争とSFという一見よくわからない組み合わせですが、皮肉のこもった表現は歴史的背景を感じます。

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